普通切手の価値について
普通切手とは、記念切手とは異なり発行枚数に限度のない切手です。現在でも郵便局で購入できる82円切手などがありますが、それらが普通切手に属します。「それなら普通切手は買取なんて無理なのでは」と思われるかもしれませんが、そんな事はありません。
切手買取業者に寄っては一定の倍率で現在の普通切手の買取も行っていますし、昔の普通切手であれば非常に高く買取をしてもらえます。普通切手は使用される事を前提として発行されている為、昔の未使用の普通切手であれば、非常に高く買取してもらえます。
明治時代の普通切手一覧
竜文切手 |
竜切手の額面が「文」のものが竜文切手と呼ばれ、日本で最初に発行された手彫切手(普通切手)です。竜文切手の価値は高く、48文と100文は20000円、200文は3万円、500文なら40000円程の価値があります。厳密には上記額面から型ごとに種類が分けられます。型によってはもっと高額な価値を秘めているので、問合せて確認しましょう。
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竜銭切手 |
竜切手の額面が「銭」のものが竜銭切手と呼ばれ、日本で二番目に発行された手彫切手(普通切手)です。 竜銭切手の価値は竜文切手より更に高く、半銭は12000円程ですが、1銭なら45000園、2銭なら65000円、8銭なら8万円程の価値があります。 竜文切手同様に種類は額面以上にあり、種類によっては更なる高い価値を見込めます。
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桜切手 |
四隅に桜花をあしらった事から桜切手と呼ばれ、切手コレクターから最も人気の高い切手と言われています。 上記額面に加え、紙の種類や印面の「カナ」の有無等で更に種類は細分化され、40種類以上ありここでは説明しきれません。 種類によっては桜切手の価値はえげつないほど高く、一枚で1000万円を超える種類もあり、買取価格もかなり高いです。
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鳥切手 |
日本で4番目に発行された切手であり、鳥切手は最後の手彫切手です。 鳥切手の価値も非常に高く、それぞれの額面で低くても30000円以上の価値は見込めます。 古い切手の為、美品自体が非常に珍しく、美品かつ45銭の鳥切手であれば買取価格で1枚で50000円を超えるほどの価値を秘めています。鳥切手も買取業者に問合せて価値を確認しましょう。
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小判切手 |
小判切手は電胎法凸版印刷によって発行された初めての切手で、名称は小判のようなデザインから由来しています。 途中から新たな額面が発行され、それらは新小判切手、それ以外は旧小判切手と呼ばれています。 価値は種類が多いのでざっくりですが、3000円~40000円、小判切手の買取価格は1000円~30000円と種類によっては非常に高額です。
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菊切手 |
菊切手は額面が多い為全ての額面の価値は説明できませんが、菊切手の価値は1000円~20000円位です。 特に価値が高い菊切手の額面は、6銭、8銭、15銭、20銭で、これらは希少価値も高いので、状態が良ければ買取価格はバラ切手単位で5000円~15000円も見込めます。
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旧高額切手 |
旧高額切手は電信・電話料金の納入の為に発行された切手です。電信用の切手自体価値が高い事もあり、旧高額切手の価値は5円と10円共に非常に高額です。 バラ切手単位で五円の価値は10万、20円なら20万円もの価値が見込めます。買取においてももちろん高額で、5円なら7~8万円、20円なら18万円前後でも買取も見込めます。
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大正時代の普通切手一覧
田沢切手 |
田沢切手は切手図案の酵母が初めて行われた切手で、田沢昌言氏のデザインが採用されたことが名前の由来となっています。 額面、紙質等で種類が多い為、ざっくりバラ切手単位で200円~100000円程の価値があります。額面の高いものほど価値も買取価格も高いと思って下さい。
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冨士鹿切手 |
富士山と鹿によるデザインから冨士鹿切手と呼ばれています。田沢切手同様に途中から紙質が白紙から毛紙に変化しています。 価値は2000円~25000円程度が多いですが、旧改色8銭は80000円近い価値がある事も。 全体的にバラ切手単位での価値が高いので、家で発見したら買取価格も期待できますよ。
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震災切手 |
関東大震災で切手印刷工場が被災した事で、応急的に製造された切手な事から震災切手と呼ばれています。 4銭以上の額面の震災切手は価値が高く、バラ切手単位で4000円~8000円程の価値があります。 3銭以下の額面の価値は300円~1000円程度で、買取であれば4銭以上の額面なら高価買取が期待できます。
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新高額切手 |
新高額切手は旧高額切手同様、額面は5円と10円の2種類あり価値はかなり高額です。 バラ切手単位で5円なら12万円、10円なら20万円の価値も見込め、買取でも良ければ10万円以上の価値は十分に見込めるお宝切手です。 ですが、あくまでも美品の状態での価値なので、汚れがあれば価値は大幅に下がりますので、見つけ次第大切に保管しましょう。
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風景切手 |
風景切手は、富士山、名古屋城、日光東照宮陽明門がデザインされたものがあり、田沢切手の様に紙質が白紙から毛紙に変化しています。 バラ切手単位の価値は額面で分ける事ができ、2銭なら500円、6銭なら1500円、10銭なら2000円程度が目安となります。 買取価格は6銭か10銭なら1000円以上は見込め、2銭はあまり良い価格にはなりません。
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昭和時代の普通切手一覧
第一次昭和切手 |
第一次昭和切手は1937年から1944年にかけて発行されていた普通切手で、印刷方式も凹版・凸版が交じり統一性は低いものの、様々な図柄や印刷方式が次々と開発されています。 買取価格は安いもので50円からと、それほど高騰する切手が頻出した時代ではありませんが、最も高い切手である春日大社の14銭は10000円程と高額で売ることが出来ます。
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第二次昭和切手 |
第二次昭和切手は日本が戦争中の時代に発行された切手です。 更に戦争状態が悪化した後期となると印刷や墨の状態が悪いものが見受けられることもあります。 価値が薄い切手であれば10円~200円ほどですが裏移りや無目打ちなどのエラー切手が多く出回った時代ですので、切手の種類自体に価値はなくとも思わぬ高値がつく場合もあります。
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第三次昭和切手 |
終戦を迎えた後の一年間が、昭和第三次切手の時代となります。 3銭や5銭などの安い額面の切手はそれほど高額にはならない傾向にありますが、5円や10円などの高額切手は最高額で2000円ほどと高い買取価格がつくこともあります。 特に水色のインクで印刷された勅額切手は発売前に終戦を迎え未発行となった切手で、プレミア価格で買取されます。
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第一次新昭和切手 |
第一次新昭和切手は戦時中とは打って変わって、図案は絵画や風景など平和的なものが中心となっています。 種類により100円程度の価値から10000円程度にも上る切手など、価値に非常に開きのある時代となっています。 特に1946年に発行された能面切手などは15000円ほどと高い価値がつき、買取価格も10000円程度は見込めます。
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第二次新昭和切手 |
第二次新昭和切手もバラ切手で安いものは数十円程の価値となりますが、高い切手や綺麗なシート状態のものなどには高額な価格がつくなど開きのある時代が続きます。 第一次新昭和切手の時代より引き続き発行されている”能面”や”梅花”切手などは価値が10000円を超えることもあるなど、第二次の時代に発行されたものでも高い値段がつきます。
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第三次新昭和切手 |
第三次新昭和切手はこれまで切手に掲載されていた菊花紋章がなくなり、日本郵便の書体が左書きになったものが発行されはじめます。 1948年と短い間のためなかなかプレミアのつく普通切手はありませんが、10円のらでん切手は2000円ほどの価値と、この時代の切手にしてはかなりの高額で買取されます。
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産業図案切手 |
産業図案切手は戦後の復興から日本を支えた労働者たちが図柄になった切手です。プレミアがつかない種類であれば買取価格は数百円程度となりますが、「電気炉」と「SL機関車製造」には非常に高い価値がついており、未使用で美品であれば電気炉、機関車製造ともに20000円程度の価値となります。
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昭和すかしなし切手 |
切手印刷の質向上で異なる用紙が使われた為、この時代の切手の一部には透かしありとなしの切手が混在しています。 産業切手のうち一枚、農婦で比べてもすかしありで300円、なしで400円程と価値には差があります。 しかし他であればすかしありの方が価値が高いなど非常に複雑化していますので、お持ちの場合は切手専門店への相談をお勧めします。
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第1次動植物国宝図案切手 |
動植物国宝切手の時代に切手の額面は円へと変わり、数字の後に00がついている銭表記が使用されているのは1次のみとなります。 1年のみですぐに第二次の円表記へと切り替わってしまった為プレミアのつく切手が多くあります。 中でも姫路城と菩薩像には高い価値がついており、姫路城は5000円、菩薩像には10000円ほどの買取価格になります。
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第2次動植物国宝切手 |
第2次動植物国宝切手は安い切手であれば数十円~数百円ほどの価値ですが、やつ橋蒔絵という切手の価値は10000円程となり、高価買取が期待できる切手です。 さらに2次動植物国宝切手を全てコレクションしている状態であれば買取価格が20000円程にまで上昇しますので、なるべくであれば全て揃えた状態で買取してもらうと良いでしょう。
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第3次動植物国宝切手 |
4円や10円といった低額面の切手や発行数の多い種類はそれほど高い価値はありませんが、90円の風神切手は1500円ほどと普通切手にしては高い価値がついています。 そして大蔵省銘版付と呼ばれる耳とプリントがついた切手であれば価値が急上昇しますので、切手の種類自体は珍しくなくとも、思わぬ高額買取となる可能性があります。
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